幼少の時分、
部屋の中で、
ウサギを放し飼いにしていたことがある。
友人の家で生まれた。
というか、マンションなので、
近隣から臭いのクレーム出て、
飼育できなくなり、
うちに来ることになった。
その時から、
友人が手でミルクをあげたりしていたため、
うちの子は、
人肌を感じると舌を出して、
ペロペロ舐めた。
ウサギが、毛繕い以外で、
舐める、
という行動をとること自体が珍しい。
私が自分で名前を付けた。
声を出さないため、
コミュニケーションを取るのが難しかった。
それでも、
まだ赤ちゃんで、
ただただ可愛いくて、
ずっと一緒にいた。
直に、
名前を呼ぶと、
走ってこっちに来るようになった。
お腹がすくと、
野菜の入っている冷蔵庫の前で、
2本立ちで背伸びして
催促できるようになった。
庭で一緒に遊んで、
トイレは庭であちこち(笑)
庭でも山ほど草を食べて、
夜は一緒に寝た。
食事時は、
テーブルに飛び乗らないように、
抱っこしながら、
一緒に食べた。
この時も、
ずっと私の手や顔の肌をペロペロ。
僅か1センチにも満たない小さな舌にも
真ん中に筋が入っていた。
ある日、
いきなり激やせし、
動物病院に連れて行ったが、
間に合わなかった。
獣医さんて、何をしてくれたんだろう？
助けてくれたのか疑問だった。
庭に自分でお墓を作った。
石を拾ってきて、置いた。
動物にとって大切な情報を真剣に
得ようとしなかった学べなかった、
ただただうちの子のことを好きなだけで、
楽しい毎日を過ごした自分に後悔した。
自分の大切な存在を守りたい、
子供ながらにそう思った。
毎日、家を出る時、帰った時は、
庭の石を撫でた。
いつの間にか、
長いこと生きてしまったが、
今の自分がいる。
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